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起業家のためのゼロから学ぶ5F分析【業界環境】

もしもあなたが個人起業家であれば、競合が多い薄利多売のシェア争いで凌ぎを削ることは不可能です。大手の戦略ではなく、弱者の戦略を取らなければいけません。そのためには業界の状況を把握した上で、誰もが攻めていなく、皆が求める、ニッチな戦略を見つけ出す必要があります。そのための基盤になるのが、5F分析になります。

5F分析とは

5F分析は参入する業界の状態を把握するために活用されるマーケティングフレームワークの一種です。業界の流れは固定的ではなく、流動的であるので5つの要素から業界を見つめることによって特徴を理解するだけではなく、その業界に参入した際の収益性を図るための切り口、つまりは戦略を決定していく際の重要な分析になります。

5F分析の各項目

5F分析のFはフォース(Force)の頭文字です。5つの圧力を指します。新規参入競合力、代替商品競合力、供給業者競合力、顧客交渉力、同業他社競合力の5つです。

新規参入競合力

あなたはアフィリエイトビジネスがチャンスと聞いて参入しますか?恐らくビジネスを軌道に乗せているあなたであれば、チャンスではないことはすぐにわかるはずです。アフィリエイトは初期費用がサーバー代、ドメイン代ぐらいで簡単に参入できるビジネスの1つです。

しかし、インスタグラム、フェイスブック、ツイッターなどのSNSの台頭、アメブロ、ライブドアブログ、FC2、はてなブログなどの無料ブログ、そしてWordPressを中心としたCMSサービスの普及により、誰もが情報を発信できる時代になりました。昔はインターネットに詳しい一部の人だけが活躍できましたが、今では誰もがチャレンジできるほど参入障壁が下がってしまいました。

結果的に、アフィリエイトマーケットは想像を絶するほどのレッドオーシャン市場に変貌してしまっています。一見誰もが知っているビジネスほど需要があると捉えることもできますが、参入者が多いか否かというところまで確認をしなければなりません。理想としては、誰もが知っているマーケットで、新規参入者が増えにくいというものが理想です。

あなたの業界は・・・
●一般的に知れ渡っているマーケットか?
●参入コストは高いものか、安いものか?

代替商品競合力

個人起業家のほとんどが所有しているパソコンを考えてみましょう。考えるポイントは代替商品の競合性は強いのか、弱いのかです。結論からするとパソコンは代替商品が沢山ありますね。パソコンと一口に言っても、メーカーも東芝、Panasonicの国内のものもあれば、ASUS、DELLなどの海外ブランドも種類が豊富ですね。

視点を変えてみると、タブレットやスマートフォンでも仕事ができてしまう人にとってはパソコンの代替商品になります。OSではWindows、macがありますし、毎年のようにアップデートが繰り返されていて性能や品質の改善の速度は顕著です。テレビCMも多く、家電量販店でも売り出しで安売りをしているのも目にします。結果的に新しい商品への抵抗は少なく、乗り換えも頻度は決して少なくないでしょう。

しかしながら、AppleのMacBookなどは分かりやすいですが、他社への乗り換えをせずに、1つのブランドの新商品を次から次へと買う熱狂的な顧客を獲得しているメーカーも存在します。

あなたの業界は・・・
●性能や、品質の改善が頻繁に起こりやすいか?
●お客さんが新しい商品への抵抗や、乗り換えに対しての負担は少ないか?

供給業者競合力

自己啓発での大きなマーケットであるコーチング。ソフトバンクの孫正義社長も常に3名ほどのコーチを雇っているという話があるほど、起業家にとっての相談役のコーチが活躍するコーチング業界は大きな市場です。

供給業者の競合力をみてみると、世界No. 1コーチともいわれるアンソニーロビンズが独占している印象を受けます。独占している競合に勝てる要素を見出せなければ、成果を得ることは不可能です。ここでいう勝てる要因は網羅的でなくても問題ありません。部分的でもマーケットが大きければ大きいほど、全体の1%、0.1%でも会社が成り立つほどの収益を見込めることは少なくありません。

アンソニーの網羅的なコーチングとは対照的に、目標達成にフォーカスしたマイケルボルダックは非常に分かりやすい事例です。彼は、成果を数値で見える化することによって、アンソニーの手元からこぼれ落ちたお客さんを獲得し成功したのです。

あなたの業界は・・・
●有名な競合がいるか?独占していないか?
●お客さんがサービス、商品を乗り換える際のコストは高いか?
●乗り換えが起こる可能性は高いか?

顧客交渉力

顧客交渉力では、見込客がどのくらいか、需要規模を確認する必要があります。需要が著しく低かったり、需要に比べて供給が圧倒的に多い供給過多の場合は顧客側の選択肢が増え、価格は下がりやすい傾向にあります。そのため参入コストが高いかどうかも合わせて確認しておきましょう。

あなたの業界は・・・
●お客さんが多いか、少ないか?もしくは一社が大量購入するか?
●参入コストは高いものか、安いものか?

同業他社競合力

独占的な市場であれば利益も独占できますが、認知度が高いマーケットであればあるほど同業他社の数も比例して増えます。参入企業同士で必然的に競争が生まれるので、最終的に価格の低下を迎え、収益性は落ちます。

あなたの業界は・・・
●一般的に知れ渡っているマーケットか?
●参入コストは高いものか、安いものか?

起業家のための5F分析

ここまで5F分析を伝えてきましたが、現代の個人起業家にとってはこのフレームワークは適していません。理由は、このフレームワークは1つの事業をしていけば右肩上がりにマーケットが伸びていくという社会が成長曲線上にいることを前提にされているからです。さらにIT技術の発展によって、WEBサービスが広がり、ビジネスも複雑に様々な業界が絡みあっています。

この分析では1つの業界に特化した分析が行えるので、現在参入しているマーケットを見直す際に活用するといいでしょう。具体的には、業界のデメリットを探し出し、そのデメリットを補填できるサービスを生み出すきっかけ探しなどに活用が可能です。

まとめ

1つの会社で終身雇用まで働くという考え方が化石と化したのと同様に、起業家も1つのビジネスだけで安泰というのは幻になっています。勝ち抜くためには、複数の事業を展開していくことが必要です。その一歩として業界の把握は必須です。5F分析の手法に乗っ取って分析を行い、メリット、デメリットの把握をすることによって、時にはニッチな戦略に繋がったり、時には新しい業界への糸口が見つかることも少なくありません。温故知新、古いフレームワークから新しいヒントを見つけ出しましょう。